サロンについて
omotesando atelier(表参道アトリエ)は、表参道の裏通りにある一軒家のサロンです。
「ちょっといいふつう」をコンセプトに、カタチに縛られず、自然体で楽しめるスタイリングを提案します。
スタイリングとは、髪型はもちろん、日々を通じて積み重なった気持ちを一端整えることです。
明日からの一日を、新鮮な気持ちで迎える。
あたまも、こころもスッキリさせる。
そのお手伝いをさせていただければと思います。
美容にできること
髪を整えることは、普段の生活の中で積もった不要なものを整理して、また新たな気持ちでスタートするための準備。
言うなればリセットです。
コロナ禍を経たここ数年で、我々の生活は大きく変化しました。
当サロンをご利用いただいているお客様からも、以前よりも溜め込むものが増えてしまったというお話を多く伺います。
一方で、髪を整えたことで、気持ちがすっきりした、解放された、というお声を、以前にも増していただくようになったことにも気付きました。
この世の中だからこそ美容にできることとはなんだろう。
お客様からいただいた多くの声は、あらためて自身が提供する美容の役割を見つめ直すきっかけとなりました。
【スタイリングについて】
スタイリングとは、ひとことで表せば髪を美しく整えることです。
そのイメージとゴールは、お客様それぞれで異なります。
今日、スマートフォンの普及により、多くの情報が手元で手に入るようになりました。
こと美容においても、トレンドやスタイルに関するさまざまな情報が日々発信されています。
先が見通しづらい日々の中で、とにかく「今」を変えたい。
その手段の一つとして、トレンドにあわせて髪型を変える。
スタイリングの変化が気持ちのリセットにもつながっていけば良いのですが、瞬間的な新鮮さと引き換えに、トレンドという新しい荷物が増えてしまう。
またこれを繰り返すことで、新しいものを取り入れることが楽しみではなく、どこか自身が求めていたことから離れた義務になっていく。
「髪を整える」という意味では同じプロセスながら、方向性によってお客様の気持ちの部分で結果が変わってくる。
そもそも正しさの定義などない「スタイリング」を考えていく中で、自身が掲げる「髪型とともに気持ちをととのえること」の意義や、それを実現するための美容の形はなんだろう。
そんな疑問が沸き起こってきました。
【穂高養生園で感じたこと】
サロンをオープンしてからの8年を振り返る中で、自身が大きく影響を受けたできごとがいくつかあります。
その一つが、コロナ前に定期的に行わせていただいていた穂高養生園でのカットセッション「oneday」です。
リトリート施設である穂高養生園を訪れるお客様の目的は、ご自身のさまざまな不調を改善し、本来の調子を取り戻すこと。
そのために必要とされることは、新たなものを取り入れることではなく、不要なものを見つけて整理していくことです。
自然に囲まれた空間で、木々のざわめきや鳥のさえずりの中、ハサミの音が静かに、リズミカルに響く。
ただ髪を切るだけなのに、呼吸が楽になったり、頭の中がすっきりしたり。
お客様の髪に触れる手や櫛、ハサミが媒体となるのか、自分自身にもその感覚が伝わり、驚いたことを思い出します。
この稀有な体験を振り返りあらためて思うこと。
それは、onedayのような美容が、自身が提供したい美容の形につながるのではないかということです。
【髪をととのえること】
髪をととのえる目的。
それは、最新のトレンドを取り入れた魅力的なスタイルにすることなのか。
または、自分らしさのある自然な美しさにととのえることなのか。
ひとつ言えることは、髪型とともに気持ちをすっきりとさせたい、という思いはどのお客様も共通であるということです。
omotesando atelierでは、美容を通じて、一人でも多くのお客様に幸せをお届けしたい。
毛先を整えて積み重なったものを軽くし、美しさのみならず気持ちもすっきりと解放して差し上げたい。
そして、明日からの日々をまた自分らしく始める元気を持って帰って欲しい。
新しいトレンドを取り入れてスタイリングを変えることで、気持ちも切り替えたい。
その思いには共感できますし、ましてや否定する気持ちは少しもありません。
ただ、見た目と気持ちを整えるための美容は、トレンドを取り入れる方法以外にもあることを多くの方に知っていただきたい。
美容に対する考えを整理していく中で、omotesando atelierが目指すゴールも垣間見えてきました。
それは、穂高養生園のonedayの体験を、表参道のサロンでも提供していくこと。
人、場所、時間が限定されるカットセッションではなく、日常的なonedayを提供したい。
美容にこそできることは、きっと今自分が思う以上にたくさんある。
その思いを胸に、これからもひとつひとつ、丁寧に取り組んでいけたらと思います。