今年の6月のことにさかのぼりますが、福岡県遠賀郡芦屋町にある
美容薬理(株)の工場見学をさせて頂きましたのでレポートさせていただきます。
美容薬理(株)は高柳の監修する余[yo]のヘアケア商品を作っていただいている会社です。また、パルセイユ(株)は企画や販売をしている関連会社です。
◆自然由来100%ってどういうこと?
ソーシャルデザインへの興味からomotesando atelierのメンバーに加えてもらったのが今年の3月。現在ちょうど半年が経ちました。
これまでの仕事は美容畑ではなかったので、とにかく毎日が新鮮で現在進行形で勉強の日々を送っています。
・自然由来100%ってどういうこと?
・オーガニックってなに?
ある企画のプレゼンのための工場見学として出張に行きましたが、美容業界の経験のない私だからこそ、いち消費者の目線で、新鮮な気持ちで見学に臨むことが出来ました。
工場の内部の写真は社外秘の部分もあるので、詳細をお伝えすることはできないのですが、白い制服に身を包んだ従業員の方達が淡々と作業されていて、その姿がとても印象的でした。
◆石鹸の製法を紀元前の原点から
「洗うものが地球を汚している」
金井社長のこのメッセージに衝撃を受けました。
パルセイユの石鹸は5000年前からの原始的な製法を原点として作られています。植物が持つ本来の酵素・ビタミン・ミネラルを守り、防腐剤・添加物の一切を良質な植物そのままを活かした素材の生きた製法により作られています。
その製法とは、【コールドプロセス】という手間のかかる方法です。
反応熱を利用するので熱源が不要で廃液も一滴も出ません。
ゆっくりと熟成させる必要がありその期間はだいたい60日。
この製法でできた石鹸は油脂の中にもともと入っているグリセリンをたくさん残すことができます。
熟成期間には波動スピーカーを通してクラシックの音楽を聴かせています。
対して一般的な【ホットプロセス】は、灯油でボイラーを沸かし高温で炊きCO2を排出し5日という短い期間で作られます。さらに廃液もたくさん出るので下水に流し産廃として埋め立てられます。
◆美容薬理の赤紫蘇プロジェクトについて
美容薬理(株)では、高トレーサビリティーな商品の開発を模索され、辿り着いたのが地元で生産されている「赤紫蘇」でした。
農薬を使わない栽培は赤紫蘇では難しいとのことでしたが、金井社長が生産者さんに働きかけ無農薬で生産してもらっているそうです。とても根気のいることが想像できました。
「早よせんと間に合わん」
金井社長のこの言葉が私の心に強く突き刺さりました。
本来であれば、赤紫蘇の収穫は7月だそうなのですが、私の伺った6月28日に赤紫蘇が納品されてきました。
「収穫をこれ以上遅らせると虫が葉を食べ尽くしてしまう」とのことで、生産者さんが急いで持ってこられました。急な納品は予想外。間違いなく温暖化の影響で、年々収穫の時期が早まっているとおっしゃる金井社長の険しい顔が忘れられません。
急いで作業にとりかからないと鮮度が落ちてしまうとのことで、金井社長から緊迫感が伝わってきました。草抜き体験の予定でしたが、私も急きょ赤紫蘇を葉と茎に分ける作業メンバーに加えて頂きました。
600キロの赤紫蘇から、精油はたった1キロしかとれないので、少しでも無駄にならないように選別も重要な仕事です。
小さな可愛いイモムシが赤紫蘇の葉を食べ始めていました。
無農薬で美味しい証拠です。
農薬を使えば、私たち人間の生活のサイクルに合わせることができ、働き方もコントロールでき安価な商品が作れるのでしょうが、それでは自然のサイクルを壊してしまう。
その状況を間近で見ることができ、体験できたことは私のなかで貴重な経験となりました。
金井社長のおっしゃった「早よせんと間に合わん」の真意は、
赤紫蘇の作業のことだけではなく、
「温暖化に対して社会全体で早急に取り組んでいかないと間に合わない」
そういうメッセージでした。
下記追記(9月8日)
パルセイユ(株)の金井社長が地元メディア/RKB毎日放送NEWSに取り上げられました。
https://www.youtube.com/watch?v=5yDGtFDEoaw
赤紫蘇の精油をブレンドした化粧品を扱うパイオニアとして、金井社長は第一線で取り組まれています。
ぜひご覧ください。
◆里山の活用
工場のすぐ裏手にある里山も見学をさせて頂きました。
自生のハーブ達はとても力強く、逞しい。
ハーブの他にカフェで提供しているお野菜なども植えられていました。
◆omotesando atelierのさらなる想い
このような美しい土地で製品が作られていること。
そして、温かい想いで製品作りに懸命に取組まれている工場の皆さまと接する機会を持てたこと。
自分の目で直接見て、作業を体験させていただいたこと。
金井社長がオーガニックにこだわる理由を体感出来たことは、私にとって財産となりました。
この時見た里山と里海の風景は、余韻となって今も私の心に焼き付いています。
staff 大久
・美容薬理(株)/パルセイユ(株) 公式サイト
・余[yo] 公式サイト
・余[yo] たかくらとくらすサイト