月金帳

「髪を切るということ 10」にご出演いただいた作家の石田千さん。

https://on-cutting-hair.com/10/

『月金帳』は、週のはじまりの月曜日と、週のおわりの金曜日に、石田千さんと画家の牧野伊三夫さんとの間で交互にしたためられた往復書簡。
コロナ禍の最中、世の中のひとびとが外に出られずに閉じこもって不安の中にいたころに石田千さんの呼びかけではじまりました。

おだやかな日常にあるささやかな出来事。
その日のお天気 植物の成長
おいしいお料理やお酒 それぞれのお仕事のこと
ご友人の近況 音楽のこと

月曜日と金曜日の往来のゆっくりとした時間の流れが心地よく感じられます。

時期は2020年の4月から9月。
第一回目の緊急事態宣言が発令された頃で、自分のiPhoneの中にある写真や記憶と照らし合わせてみると、世の中の緊迫が思い出され、回想しながら読むと景色が違って見えてきます。

毎回の文章に添えられている石田千さんの俳句と牧野さんの挿絵。
失敗や落ち込むことは軽やかに、楽しいことはより生き生きと。
風の抜けるような余韻は、読み手への心くばりが感じられじんわり胸に伝わってくるものがあります。

『月金帳』は発行元の港の人Webサイトでの連載が今も継続中で、どなたでも読むことができます。

https://note.com/minatonohito/m/m56aac7574402

その中で何度か髪にまつわるお話が出てきます。
「髪を切るということ 10」と併せて読んでいただくと、石田千さんの心のうつりかわりも感じられるのではないでしょうか。

文:大久浩実(表参道アトリエ)

 

https://www.facebook.com/omotesando.atelier/